「ねえ 見て見てっ 良!」
名前を呼ばれ後ろを振り向く。
そこには赤ちゃん用の服を両手で持ち引きちぎらんばかりに伸ばす美綾。
「美綾… 服が伸びる」
呆れ顔で近寄り美綾が持っている服を取る。
「あー!もうっ そんな簡単に伸びないっつーの まったく!」
いい年して ぷぅ っと膨れる美綾を見てガキだなあ っと思いつつ頬が緩む。
でも、そんな自分に溜め息が出る。
未練たらしいったらありゃしない。
もう… 俺の付け入る隙はないんだ。
なのに、
まだ 踏ん切りがつかない俺に君は残酷なほど無防備で眩しいくらいの笑顔を見せてくる。
「あっ あれ可愛い!!」
なあ どうやったら君を忘れられる?
分からないんだ… もう
忘れようとしてるのに抑え切れずどんどん想いが溢れてくる。
重症だな…… 俺