割り切りの恋人たち【前編】

 だが、いつからか出入り口は分厚い壁で閉鎖されていた。
「昔さ一度だけ、あの通路通って映画館の前まで行ったよね」
「えっ? そうだっけ」
「覚えてないの?」
「うん」
 俺は一言だけそう答えた。