「――ほらアリス見てよ!可愛いだろう」
「い、…嫌ッ…こっちに持ってこないでくれる!?」
彼の口車に乗せられて付いてきた場所は、動物園。
レイの所に行くと言えば、送ってあげるといわれ、この場所についた。
何度か抵抗したが、園内に入ってしまい…結局彼の後に続くしかなかった。
可愛らしい白と茶色のウサギを2匹両腕に抱き、頭には耳がたれたウサギを乗せている。
彼の後ろからは、ひょこひょこと数匹の子ウサギが付いてくるのだ。
「わわわ、付いてきちゃった。僕ってモテモテだね」
「いや、付いてきちゃったじゃないから!!怖いから、ヒィイッ」
「ベンチは立っちゃ駄目だよアリス。お膝に乗せてあげるから座って」
「結構です!!」
うさぎとのふれあいタイム。
楽しそうだから行こうと言われ、無理やり中に入らせられた。
こんな時なら「キャッ可愛い」などと語尾におんぷまーくをつけるべきだけれど、私にはそんな余裕はない。
「もう、お姉さんは怖がりですね~」
ウサギを抱きかかえ、前足を握ってひらひらと振らせる。
まるで腹話術のような行為をするカノンに文句の一つを言ってやりたかった。
ひとまず変な視線を受けているのでベンチから降りる。
出口へと逃げようとしたとき、カノンの体が強く私にぶつかった。
その衝撃で、ベンチに尻餅をついてしまう。
