『――第一エリア国立高等学部でのテロにより、今だ学園内には生徒の笑い声が戻っておりません。主犯格のルカ・ベルチットは未だに容疑を否定。共犯のノエル・ラヴィンソンは意識不明の重体との事です』
熱いコーヒーをマグカップに注ぎ、更新されたばかりの最新のニュース記事に目を通す。
学園テロの詳細が繰り返し流され、変わり映えのしない映像をぼんやりと眺める。
血まみれの“アリス”を抱えて人が敷き詰められた道を掻い潜るシャーナス将軍は、いつも見せる冷静な表情を忘れさせるほどの形相だった。
見て居られずニュースを閉じようとした時、新しい記事が更新された事に気づく。
「ん、これは…ローズ、来てみろよ」
「…ふぁあ…何なのですかウィル?ローズはちゃんと顔も歯も洗ったのです…」
「いいから。この写真の子って…お前の言うアリスじゃないか?」
「…ふぇ…」
俺のパジャマの上着だけを着たローズが、どんよりとした表情で戻ってくる。
髪がぐちゃぐちゃとか、口の隅に歯磨き粉が付いているだとか、明らかに目の周りは洗ってないなどの文句は後回しにする。
新しく更新された写真は血まみれの彼女ではなく、ブランシュ家の“アリス・ブランシュ”としての証明写真だった。
非現実に洗練された顔のパーツ、長い睫毛と細められた紫の瞳、黄金色の髪。
