『――…ま、ったく。酷い有様だ。想像以上に、君は私と距離を置きたいんだな』
『レ、レイッ…な、何というか…その、えっと…可愛いんだけど』
『うるさい…メルヘン思考はやめてくれ。何だこのヒラヒラした襟は…私をいくつだと思っているッ』
『い、いやぁ…小さくなったらさ…服がその…アレだから。まずいでしょ、何かと』
正直に言えば現実主義の性格が裏目に出てしまい、小さくなって出てきた姿は全裸だろ、という結論に至り、細部まで想像をしてしまった。
これは乙女的にどうなんだよ、ってことでなけなしの良心をフル活用させてルカがアバターのアイテム用に作っていたコスチュームの方を寸前で付け足したのだ。
襟は丁寧なフリルを織り込まれ、ネクタイを無理やりリボンにアレンジし、ジャケットと同色のプチハットを被ったちょっと年齢的に如何なんだよ的な服装であっても。
レイの名誉だけは守りきったと、自分の中で小さく握り拳を作る。
『ちょっと痛い感じのコスプレだとしても、似合ってるわ』
『目を背けて言われても説得力がない。何故こんな姿を想像するんだ。いつもの軍服を着た姿なら幾分かマシだと言うのに…』
『うん、まぁ…乙女心に出来心というか…テヘヘ★』
『…まぁいい。これだけ小さくなったと言うことは…私の存在は、君の中でこれほど小さく萎んでしまったという事だからな』
胸元のリボンを乱暴に抜き取り、小さくなってしまったレイは私の指先に飛び乗る。
両手の平で優しく抱き上げ肩に乗せると、レイは転げ落ちないように服の紐を握り締めた。
私達のお喋りが終わる間、双子は一言も口を利かずにシルクハットの中を覗き込んでいる。
まるで起こる筈の無いことが起きたように、顔を見合わせてケラケラと笑い出す。
