「んっ…んぐっ…ウウッ――ッ!!ん、んッ!!」
乾いたローズの舌が、絡ませた俺の水分を奪っていく。
口の中に分泌する唾液を全ておくるが、彼女の喉を潤すには足りない。
薔薇の花弁のような小さな下唇を何度も吸い上げ、抵抗する体を抱き込んだ。
うなじに手を差し入れ、髪を遊びながら柔らかく幼い唇を飽きるまで貪り続ける。
「ンッンッ!!ゥンーッ!!!」
「痛ッ…!」
「ッ…こふっ…ううっ…げほっ…」
「…い、痛ッてぇ…ッこ、殺す気か…ッ!!」
噛み千切られそうになった俺の舌には、ローズ犬歯が深く突き刺さる。
反射的に身を引いたせいで、自ら傷跡を広げてしまい、口の中が血の味で一杯になる。
唾液の混じった血液を、飲み込めなかった分だけ口の端から溢れさせてしまった。
飲み込んでしまった血液も、胃が受け入れられず――結局すべて吐き出して体外に排出した。
「ううっ…ウィル…ウィルぅううッ…うわぁあッ…ふえっ…ううぅっ!!」
「お、俺だって泣きそうなんだよ…」
「ウィル…ッウィル!!どうして…ッ来たのですか!?…うぅうっ…うわぁああっ…!」
「悪かったよ…遅くなって。迎えに来た、こんな所…早く出よう」
痛いぐらいに体を寄せて嗚咽を抑えられないローズ。
体中の水分は吐き出してしまった筈なのに、空を映した大きな瞳から大粒の涙が零れる。
ローズの腕を俺の首に巻き付けさせ、膝の裏に腕を入れて抱えあげた。
やせ細った体は俺が抱き上げるだけで壊れてしまいそうで、宝物を扱う様にそっと抱き寄せた。
