――眠りネズミ?データの共有?パンドラとの接続?
あからさまに不機嫌な顔をするノエルだったが、当の本人が知覚していない内容を話されても理解に苦しむに決まっている。
でも、本当にパンドラに意識共有していたなんて思いもしなかった。
つまり私達がお茶会をしていた場所は、カノン君が構築したバーチャル世界を本物と認識していたって事?
「レイと…一体何の関係があるのよ…ッ」
「そうだ、原因は全部あいつの所為だ!!あいつが…“あんな事”をしたから、全部拗れた!!ハートのジャックの気が触れたのも、この妊婦が死んだのも…あいつの所為なんだよ…!」
「レイの所為じゃないわ…ッレイは悪くない。この…キャロルさんの事に関してだけは…私の責任だもの…ッ」
「ハッ…父親を庇うなんて大した自己犠牲だな。ロクに聞き入れもしない、無駄な忠告の為だけに…こんな思いしたんじゃねェのに…。俺も眠りネズミも…浮かばれないだろ…」
――ち、父親って…どういう…ことよ…。
胸焼けに加えて、背筋を凍らせる冷や汗が体中から噴き出した。
胃を誰かに掴まれたような気分になり、浅く息を吐きながらその言葉の意図を考える。
思い出したくないのに、今更になってカノン君の言葉がぐるぐる回り続けた。
一度探って、疑ってしまえば…二度と信じられない、と。
その言葉の続きを聞いてはいけないと脳で理解するより先に、口が動いてしまう。
