独:Der Alte würfelt nicht.

 

【残り時間 9分43秒】

男の子 0票

女の子 5830票


 ――此処まであからさまだと…テロリスト側に変に思われるかしら。

キャロルさんの膝から顔を上げ、未だ引かれる髪がパラパラと落ちた。

私は勝利を確信したような表情で立ち上がり、カメラに向かって回答を宣言する。

“女の子”と発言しようとした時、キャロルさんが私の手を掴み、自らの額に押しつけた。


「どうか…貴方の未来と、この子の未来が幸せでありますように」

「…お…か、あさん…みたい。本当にそうだったら…よかったのにね」

「えぇそうよ。私は貴方のお母さん…そしてここに居るのは――」

「私の、妹。…女の子ね」


私が回答を提示したと同時に、カウントされ続けていた残り時間が止まり、投票が打ち切られた。

キャロルさんが青い顔で息をのみ、震える手で私の手の平を強く握ってくれている。

彼女にとってしては死刑宣告にも近い発言なのに、私の言葉を信頼してくれていた。

その荒れた温かい手を握り返し、そっとテロリスト側の反応を待っていると…部屋中に鳴り響くクラッカーの音に耳を塞ぐ。

キャロルさんは悲鳴を上げて私の手を離し、お腹の子を庇うように腹部を覆った。


『パンパカパーん!!おめでとう【回答者】アリス!!貴方は見事、回答を提示する事が出来ました!おめでとう、本当におめでとう!!』

「それで、どうなの。正解でしょう?こんな茶番終わらせて、さっさと答え合わせを――」

『ハイッ!答え合わせですね!!答え合わせの時間はあと8分21秒しかありません!急いで急いで!こちらの方で準備は済ませてあります!後は“中身”を確認するだけ!』

「だからっ…さっきから一体何を――ッ!!」


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