「テロリスト側に一切干渉せずに、票数を弄る。投票総数をリアルタイムで個人の端末に送れてるってことは、票数を集計してその端末に送るプログラムがある。その中に修正パッチを潜り込ませるから、自動的にプログラムが読み込んで書き換えが完了するの」
「具体的には?」
「――よし、修正プログラムの出来あがりッ!後はこれをサーバーから直接個端末に行くプログラムに潜り込ませて…ッああっもう…邪魔しないっていったじゃないッ!!」
「安易な組み換えだね。でも欠点があるだろ?これじゃ…もう投票先を決めた【投票者】は、救済されないじゃないか」
ルカちゃんが修正プログラムとして当てようとしたのは、“女の子”に強制投票となる物。
画面上にある“男の子”と“女の子”どちらを押しても、“女の子”にしか投票がいかないと言う捻りの無い簡単なものだ。
始めから回答を“男の子”と決めて膝を抱えて震えてしまえば…救済されない。
彼女は愚問だと言うように鼻を鳴らし、キーボードを叩く手を休めずに僕を見た。
「頑固な人は直々に投票先を変えるから平気。そんなに人数もいないだろうし、時間もまだあるから…そうだ、“保険”の為にひと肌脱いでくれない?」
「えぇっと…うん、わかった。下から脱ぐね。僕、脱いだら色々凄いから…ルカちゃん、僕にトキめいたりしたら駄目だよ?ほら…僕にはアリスと言う心に決めた人が――」
「…“此処”に行って。薬品に詳しいみたいだから適役でしょ。幸い地下にはテロリストの監視も無いから、危なくないよぉ??」
「はいはい、そっちも精々頑張りなよ。いい結果を期待してる」
ルカちゃんの端末からメールで送られてきた地図と、その場所の詳しい展開図。
面倒くさいから行くのをやめようかと考えるが、ルカちゃんから監視カメラの映像をチェックされたら最後。
下手な動きをしたとして、テロリストと共犯だと疑われるかもしれない。
ならばと、重い腰を上げルカちゃんを背にして、安全な視聴覚室から出ることにした。
