「あはは、ブサイクさんだ。雀斑ぐらい荒稼ぎした分で消してもらえばいいのに。それにしてもさ、紫苑ちゃんって綺麗だよね。アリスとはまた違った色気が――」
「…やっぱり、頭の螺子が弛んでるみたい。アリスにフラれたからって八つ当たりしないで。貴方よりシャーナスさんの方が随分と大人ねぇ…同じ男に思えない」
「僕とアイツを比べないでよ。苛々したら…何するか、分からないよ?」
「私は…関係ないの。だからね、下らない事に巻き込まないで。もうウンザリだから」
ルカちゃんの白い腕を強く掴んでいた所為で、赤い手の平の跡が残る。
身をよじり僕の腕から逃げたルカちゃんは、腕を振り上げてもう一度頬を狙ってきた。
前と同じようにその腕を掴むが、さすがに学習したらしく足にキツイ蹴りを入れられた。
逆上されても面倒なので今度は甘んじて蹴りを受け、オーバーリアクションを見せる。
「取りあえず…アリスの方に回答を流すから。邪魔しないで」
「邪魔なんてしないよ。これもアリスが選んで起こした結果の一つだから。どんなふうに悪く転ぶのか…見てみたい」
「…変態。アリスの事…怨んでるんじゃないの?」
「アリスの事は心から愛しく思ってる。でも逆に…心から憎く思ってる」
ルカちゃんは僕の声など聞く耳持たないと言うように、端末に向かって何かを打ち込んでいる。
かなりの時間を要してテロリスト側からのハッキングから脱し、本格的な作業に入っていた。
紫苑ちゃんの安全を考えてテロリストの造ったプログラムは止めず、あくまで動かしながら中身を弄っていく。
テロリストにその事が知られてしまえば…この学園の生徒全員がただでは済まない。
