――…結局許されたいだけの自分に、吐き気がする。
上半身を起き上がらせることなど出来ないため、誰かに跪いて頭を下げているような格好になる。
血が滲むほど地面を殴りつけ、何度も汚い呪いの言葉を吐き続けた自分を思い出した。
『みんな、死んでしまえ』と。
汚らしい呪いの言葉を、誰彼構わず吐き捨てた自分の姿が、脳裏に蘇るのだ。
何度も何度も、嗚呼、そうだ、何度も――
「ばーか」
「…はい?」
「トカゲの尻尾きりにあっただけでしょう。世間の汚いやり口で犯罪者に仕立て上げられた、そうでしょ?」
「…否定はしないわ。でも原因を作ったのは私よ。研究チームの人間を管理できなかった私の責任」
――ここで私が否定しても、何も変わらない。
世界的に公認されている真実は一つ私が“犯罪者”だということだけ。
シオンが前に進むのを拒んだせいで、いきなり止まった彼女の金色の草履で指を踏まれた。
痛いと声を上げようとしたが、先に悲鳴をあげたのはシオンの方だった。
「ひぃッ!うぎゃああぁあ!!」
「ッシ、シオン!どうしたのッ!?」
暗黒に包まれた道の中に木霊するシオンの声。
静かにしろと怒鳴ることも出来たが、いつも冷静にものを言う彼女が悲鳴をあげるなど滅多にないこと。
闇に包まれる世界で目は慣れてきたと言うものの、彼女に起きた“何か”を探し出すことは出来ない。
閉ざされた空間で微かに震え、嗚呼声を漏らすシオンの姿に息を呑む。
そして私も彼女が受け入れた現実を共有しようと、小さく問う。
