「――ちょっと…言いすぎたかなァ…」


監視カメラの映像を管理している、メインサーバーに侵入してアリスの姿を探してみる。

単体の監視カメラの機能を停止するように設定されてたので、一部映像が差し替えられている部分を探し当てた。

そこで起こった事は分からないけど、ほんの30分ほど前、その周辺の廊下をうろうろしていたテロリストが姿を消していた。

銃声が校内に響いた時間とピッタリ合ってしまう事から…映像を差し替えた人物に何かしらの不具合でもあったのだろう。


――でもでも…こんな事になったのはアリスの所為だもん。シオンにだって最近べたべたし過ぎだし…少しお灸を添えるぐらい可愛いものよ。


キーボードをたたき、誰かさんがやっているように自分の個室の映像を他の個室の映像と切り替えておく。

オートロックも解除しつつ、テロリストたちの行動範囲と人数を確認した。

シオンは今日学校に来ていないけど、この状況を誰よりも喜びそうだから…。

もしも自らの意志でこの場に赴き、サポートを必要と言う指示があれば何時でも出来るように用意だけしておく。


――メール来ない。こんなに面白そうなイベントがあるっていうのに…シオンが出てこないなんて。


ピンク色のボディにパステルカラーのラインストーンを施した端末の画面を見つめる。

取敢えず何か連絡があるまで、撮り溜めしていたドラマでも見る事にした。

3話の途中まで授業中に見ていたので、その続きを再生する。

生き別れの兄妹がいい年ごろに出会って、肉体関係に落ちるのだ。

そしていざ結婚となりお互いが血の繋がった兄弟だったと分かるありきたりなパターンで…。