「…この人、ご飯食べれているのかしら…」
「――う…」
「ほらーあさよー。今日の朝食はクロワッサンとカフェオレだから、早く起きなさーい」
「…ん、あ…え…ッいッ!!」
低い唸り声を上げる男に焦るが、キツク縛られているので身構える程度にとどめる。
聞きたい事もあって一緒の個室に入ったのだが、睡眠薬が予想以上に効いたようだ。
微量しか注入しなかったので、目覚めも早くなくては困る。
頬を数回叩くと、虚ろながらも瞼を開ける男。
「…あ…お、前は…ッ」
「初めまして。さっきは乱暴してごめんなさい?別に全然反省はしてないんだけど」
「う…い、痛い…この縄…普通の縛り方にしてくれ…ッ」
「私の質問に数点答えてくれたらね。その縛り方出来る人って今は殆どいないんですって。昔、拷問で使われていたらしいけど…ほっとくと死んじゃうんだって」
笑いながら喋ると、男は顔を真っ青にして首を力なく振った。
アシスタントプログラムが画面上で飛び回り、処理した結果をマルチメディアに表示してくれる。
この部屋に入るまでは、薬品室に居た時に用意した仕掛けで私の姿は映っていない。
メインルームで管理をしているので、本部を置いていると仮定し映像を探したが…。
メインルームのカメラは壊されているらしく、わざわざ映像も削除されていた。
舌打ちをしながらも、男と向き合う為に椅子を回転させた。
