窓から顔を出さないようにして外の様子を窺うと、先ほど見た時より人数が増えていた。
チラリと見ただけでレイの姿を見つけることは出来なかったが、黒い塊が蟻のように集っている。
こちらに向けられた銃の数を見て、私は急いで頭を隠す。
外から私の姿が見えないように気を付け、縛り上げた男の体を、開いている教室の個室まで引きずった。
「重…ッ」
私もその中に一緒に入り、フクロウのアシスタントツールを起動した。
今まで私が派手に動けていたのは、軍に通報した教室で色々と小細工をしたからだ。
レイへの伝言をお願いした後、薬品室で色々と拝借した私は、試験管に少しずつストックしていた。
この男を拘束し無力化できたのも、この薬品あってのことだろう。
――嗚呼、怖かった。やっぱり一般人が下手に動くと危険ね、気をつけないと。
ノート型端末に男の携帯のデータを移し、手早く全てに目を通す。
削除されて見られなくなったメールの履歴を一覧で表示し、内容を確認した。
しかし受信したメールが2件と、送信したものが1件。
当たり障りのない物で、メールが届いたか確認するような文が短く書かれていた。
――やり取りの形跡も…着信履歴だってない、消されているわけでもないし…。
現在地の把握をするにしたって、専門的な機械を使えばいい。
買ったばかりの携帯電話…いや、持っていなかった物をいきなり渡されて、使い方が分からないような。
それにこの男性、銃を持っていたけれど扱い方も分からないようで。
私も見つかった時はどうしようかと思った。
逆に怯えた様子で銃を向けてきた彼に、勇気を出して一発喰らわせたら…痩せっぽっちの細い体が床に転がったのだ。
その拍子にトリガーを引いたらしく、壁には鉛が埋まりこんでいた。
ひるんだ所にすかさずカノン君にも打った睡眠薬を注入し、眠ってもらったのだ。
