「…やっぱりローズは可愛いものが似合う。女の趣味はよくわからないけど、ローズに似合うものなら分かるよ。着てご覧?」
「ウィルが着るのではないのですか?ローズは…こんなもの貰えないのです。今着ているので十分なのですよ」
「駄目だ。それに、着るものそれしかないだろう。洗濯してる間はどうするんだ?俺が困るんだ、我が侭言わないで着てくれ」
「…はい。でもこれは捨てないでください。お願いなのです」
それほどまでに愛着があるのだろうかと、染みになったエプロンドレスを見つめた。
昨日は俺のパジャマに着替えていたのに、外に干していたその服をわざわざ取り出して着ている。
ローズは俺の言う事を聞き、自分の服に手をかけてボタンをはずしていく。
何の恥じらいもなく男の前で着替え始めるローズに、俺は焦って後ろを向いた。
「こ、ら男の前で無防備に脱ぐな!!着替えたらちゃんと言うんだぞ!?それまで呼ぶなよ!!」
「ウィル、これどうやって着ればいいのですか?リボンがいっぱい付いてて邪魔なのですよ…動き難そうなのです。このフリフリは外せないのですか?」
「…後ろにチャックが付いてるからそれを開けて被るんだよ。いいか、終わって呼ぶんだぞ。それまで絶対に呼ぶなよ」
「ううっ…髪を挟んだのです、痛いのです。取れないのです。…うっ…あ、取れたのです」
背中越しにゴソゴソとローズの着替える音が聞こえ、見えるはずもないのに目を瞑る。
別に女の体を見るのは初めてじゃないし、単に着替えるだけだ。
此処まで気にする必要があるのかと自問自答するが、振り向く勇気はなかった。
洋服と格闘するローズを待ち、不道徳な感情を必死で押さえこむ。
