独:Der Alte würfelt nicht.



「――うぅ…重いよ、重いよエリザ…!」

「エリザ?…ウィルのお友達なのですか?」

「うっわぁあっ!?」

「ひゃっ!び、びびっびっくりしたのです!ごめんなさいなのです、驚かせてごめんなさいなのです!」

「…ロ、ローズ…ごめん。ところで…どうして俺の上に乗っているんだ」


いつもより起きる時間より20分ほど早く目が覚め、枕元の目覚ましを止める。

俺の腹部の上に乗るローズの重みで、上半身を起こすのに苦労した。

キャッキャとはしゃぎながら俺の身体の上に乗り上げ、バタバタと足を忙しなく動かしている。

一瞬何の事だか理解できなかったが、ローズが俺を起こしに来たようだった。


「おはようなのですウィル。朝なのです、今日はいいお天気なのですよ!」

「ん、おはよ。ローズは朝から元気だな…俺はまだ眠いんだけど」

「ローズはもう眠くないのですよ。ウィルは眠いのですか…?なら起こしてごめんなさいなのです。おやすみなさいなのです」

「いいよ、ありがとう起こしてくれて。起きるから降りてくれないか?」


ローズの身体を抱き上げると、未だに遊び足らないように俺に抱きついてくる。

動くたびにローズの髪が頬をくすぐり、昨日の決心を甘やかに壊していく。

本当、…何事も無く保護者のままでいられるだろうか。

一抹の不安を抱えながらも、洗顔をしにローズを洗面所まで連れて行った。