「あおいちゃん、話ってなぁに?」


相変わらずきれいな瑠菜。


「瑠菜ちゃん、あたし先生が好きなの。」



「えっ?」


一瞬、瑠菜の表情が曇る。それがあたしには本当に意外だった。
瑠菜の大好きな弥の彼女のあたしが弥ではなく先生がすきって…

瑠菜には朗報であって、表情を曇らせる理由にはならないと思ってた。


「なぁに…それ?」




「何って言われても…。その通り。ビックリしたでしょ。あたしにとって先生は本当に大事な人なの。今、その先生が弱ってる。あたしは原因を知りたい。だから瑠菜ちゃん知ってることがあるなら教えてほしい。」



「…」


瑠菜はだまった。
この子は父親にも特別な感情を持ってる…?

そんなはずない。



いくら瑠菜が変わってても父親をなんて…


ファザコンのあたしが一番よくわかってる。

似てる人を好きになっても、本人を…なんて違う。


でもあたしは確かめずにいられなかった。


「それに…あたし、寝たよ。先生と。」



「まさか?」



「生徒と寝るわけないと思ってる?それなら先生に聞いてみたら?先生は本当に弱ってた。あんたたち兄妹が近親相姦してるって知ってショック受けてね!!」


瑠菜の顔色が変わる。



「許さないよ。葵ちゃん」


瑠菜の顔はさらに憎しみに染まる。


「許してもらう筋合いはないよ。」