興味って…


「別に…」
あたしはうつむいて言った。

「俺がなにしてるかなんて、
父さんに聞いたっていいし、それに隣の高校なんだからみんな俺のこと知ってるよ。」


「…そう。」




「俺は、あおいのことが気になってしょうがないんだよ。」




わたる…


それって…


あたしピンとこなかったけど、
これって
告白?


今まで男の子にこんなこと言われたことないのに。
相手はこんなにハンサムな男の子なのに


あたしの心はびくともしない。




ただ、
驚きだけ。



あたしは
近所の目を気にし、わたるをとりあえず家に入れた。






「わたる。ごめん、あたし…」
「わかってるよ。早過ぎって。でも…」




でも…


「あたしをとりまく状況がフツウじゃないから?」



わたるは静かにうなずいた。



「俺なら、あおいの力になれる。」
「う…ん?」
「俺の両親も離婚して、妹と離れ離れになったんだ。俺もつらかったけど、バスケしてたおかげで乗り越えた。
だから…あおいの力になりたいんだ」



「わたる…」



やさしい。

…わたる。
やさしいよ。




あたし
ひねくれてる。


素直に泣けない。
ほんとは泣き叫びたいくらいつらいのに…



こんなやさしくしてくれるわたるの前でさえ
泣けない。




「好きだよ。あおい。俺を頼ってよ。」



「う…ん。」


わたるは
あたしをそっと抱き寄せた。


広い胸にあたしは顔をうずめた。



男の子に抱かれるなんて初めてなのに
不思議。

ドキドキしないどころか落ち着く。



「わたる…ありがとう。」



「…あおい、キスしたい」


わたるは
あたしの返事を聞く前に
あたしにキスした。

唇が軽く触れるキス。




あれ…?
この感覚…


どこかで…