「別れたいの?」
彼は優しい声で言った。
「嫌だ・・・。」
泣いたまま、私は答えた。
「じゃぁ、もう一回2人でがんばろうか。」
彼は私に笑いかけた。涙でよく見えなかったけど。
「うん。」
私は悲しみとは違う涙を流してうなずいた。
「じゃぁもう泣かないで。今日も一緒に帰ろうね。」
彼はそれだけ言うと自分のクラスに戻って行った。
その日は一緒に歩いて帰った。
彼が私の隣で歩いていることが、嬉しかった。
彼が私の隣で笑っていることが、嬉しかった。
彼が私の隣で話してることが、嬉しかった。
時が止まればいいのにと思った。