今日は14日。
バレンタインデー。
朝、登校時間が遅れた。
結局……
持ってきてしまった。
アノ人に。
マサに。
チョコレートを…
持ってきたけど
私はこれをどうするんだろう。
余ったと言って人にあげる?
自分で食べる?

ダメだ。

そんなだからダメなんだ。
そんなだから進めないんだ。
自分次第なんだ。
渡そう。
渡せる。

結局湊に頼ってしまう。
「湊、渡しといて~。」
「ダメに決まってるでしょ。」
優しく、でも厳しく指摘する。
「じゃぁ机の上に置く!」
「誰のかわからないでしょ?」
「手紙入れといたもん。」
「自分で渡さなきゃだめだよ。」
「分かった。席で待ってる。」
「一緒に行く。」
そう言って湊は
あとから一緒に来てくれた。
頼ってばっかりで
ごめんね。

キーンコーンカーンコーン♪
「あっ。美術だからもう…」
「え~待ってなよ。」
「でも、遅れちゃうからね。」
「チョコどーすんの?」
「イスの上置いてく。」
そう言って私は
凛と一緒に美術室に行った。

もちろん、集中なんてできなかった。