部屋を見渡せば可愛らしいレースのカーテン、少し大きいテディベアがイタリア製の高価な椅子に座っており、黒く艶やかなグランドピアノ、ほとんど白で統一された壁。そして、今私が座っているキングサイズのベッド。その他もろもろ…



こりゃ完璧な、いかにも‘お嬢様’〜って感じの部屋。



まったく、嫌になっちゃうわ〜


もちろん私の趣味ではない。

一応、誰かが入ったときでも大丈夫なようにするため。


マジでこの部屋居心地悪い…


そんな気分になりつつも、顔を洗ってお手伝いさんが用意してくれた制服に腕を通し、部屋を出てリビングへと向かう。



長い廊下を歩き、螺旋階段降りていく。


ほんとっ、この階段は長い…




やっとの思いでリビングに入ると、豪華なシャンデリアの下にある長くて大きい大理石のテーブルの上に珈琲を置く1人の男がいた。


「おはよう、父さん。」


軽く挨拶をする。
そうその男は、私の父。