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男から逃げた後、何事もなく家へ帰ることができた。でも、私が息をかなり乱しながら帰ってきたからお手伝いさん達は、私に何かあったんじゃないかと凄く驚いてたけど…。



まぁそこはなんとか適当に誤魔化しといた。


お手伝いさん達は、それ以上深くは聞いてこなかった。

父さんだったら、私が本当のことを言うまで絶対引き下がらない。それはマヂで勘弁…。



でも、その父さんが今日はないから、良かったけど。





安堵の息を溢しながら、ジーパンのポケットに手を入れる。










ん?

あれ?ないぞ…








おいおい、私…まさかと思うけど……落とした?



アレを落としたらヤバいっしょ!?いや、ヤバいで済まないし…。




も、ももももしあの男が拾ったりしたら、……完全に私のことバレるぅぅぅ!!!!!!





どうすんのさっ!さっきの私の必殺アッパーちゃんが水の泡だぜ!?せっかく久しぶりにアッパーちゃんが登場して、スッキリしたばっかりなのに…。





ゴメンね、アッパーちゃん。

あたいは残念な奴さ…。
酷い奴だよ。




ととととととにかくっ、何とかしなければ…!!


で、でも今さら街に戻れないし…。明日探すしかないな。




諦めて、明日探すことにした。