硝子ノ迷宮




病院のロビーは誰もいなくて殺風景だった



「長谷川様、どうぞ」



歳のいったきつそうな女が私を見る



奥に進むと50前後の男が座っていた



「どうぞ、座ってください」



「はい」



「では、早速。どのようになりたいんですか」



決まっているじゃない



「とにかく美しくなりたいんです、誰よりも」



私がそういうと隣にいた助手であろうか、女が吹き出していた



「失礼だぞ、君」



「すみません」



いいのよ笑って



…今のうちだから