「…覚悟していたはずなのに…こんなに恐ろしいものなのね…」 嘲笑を浮かべて瞳を閉じる。 ―シュンッ 先程までの凄まじい力が消え、元の姿へと戻った。 「…千年………」 横たわる千年の肩を担いだ。 背中から止めどない血液が流れている。 「早く…病院…に……」 千年を担ぎながら廊下を歩く。日はすでに傾いている。 千年の背中から流れる血も、夕日の紅に照らされると良く見えない。 今はそれだけが救いだった。