「傷が…治っ…たら……島の外へ……行きたい…」

「約束だよ…必ず行こう!!」


千年の言葉に、あたしは頷く。


「でも……塞がるまで…に時間が…かかる…から…千年は…先…に行って…て…」


「…………え……?」


「先に……夢を叶えて…。あたし…が…起きたら…千年に…会い…に…い…くから……」



モデルとして頑張ってる千年の夢をあたしが潰すのだけは嫌…


「…っ…俺一人で帰れって?」


「千…年…。何が…したいかわからない…なら…。とりあえ…ずモデル続け…てみれ…ば…?そこで…しか…見え…な…いもの…もある…」


きっと……
千年なら成功できる。
努力、してきたんだから…



「あたしにあんたの夢を…見せてよ…。楽しみ…に…してる…から…。頑張って…千年…」



あんたの輝いてるとこ、見てみたい。


ただ無我夢中に夢を追いかけるあんたを…


出来るなら…あんたを支えたい。一緒に生きていきたい。


千年は、悲しそうに、それでも強く頷いた。



「…っ…必ず…俺に会いに来て。絶対…。でなきゃ、俺から迎えに行くからな!!」


千年はあたしの手を握りしめる。その手は震えていた。


「…約束…する…」


あたしはそう言って、笑顔を浮かべた。


体が急激に重くなる。
まるで鉛のようだった。