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「もはやこれまでか…」


刀を地面に突き刺し体重を刀に預ける。


これで終わりだと悟る。


刀を握る手の感覚も、地に着く足の感覚も無い。


「グギャギャギャーッ!!!」


目の前に迫るのはこの平安の世で最も恐れられる鬼。


「火鬼…お前だけは…残して逝けぬ。朽ちる時はお前も道連れにっ…!!!」


地面に突き刺さる刀を引っこ抜き歪む視界の中、刀を構える。


「愚カナ…ソノヨウナ体デ何ガデキル。滅ビルノハ貴様ダケヨ…天姫」


天姫…か…
結局、この命滅びるまで私は天姫なのか…


ならば………


「…私は最期まで…
救いの姫としてこの命…終えよう」


瞳の色が碧色に変化する。それに反応し刀が碧く輝き出した。



「…天姫ノ刀……
最期まで私と共に!!!
はあぁぁぁぁっ!!!!」


火鬼へ向かって刀を振り上げる。


火鬼もまたその鋭い爪を
天姫へと振り下ろした。