碧眼の天姫―刀の後継者



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遠葉様がご自分の屋敷へと帰り、私は一人部屋の中にいた。



「日が暮れる…。もうすぐ夜が来るのね…」


旅立ちの時が刻々と近付いている。


大切な人、大切な時間との決別。


「後悔なんて……」


後悔なんてない、と言えば嘘になるけれど…


私は愛した人に気持ちを伝えていない。


最後まで妹のままね…


それで良いと思った。


死ぬかも知れない私を愛してなんて言えない。


「この想いは…最後まで私だけのものよ…」


誰にも、時初にすら告げずに逝こう。


―ギシッ


「さぁ…月が顔を出した。行こう、天姫ノ刀」



刀を手に、来たばかりの夜の中へと飛び出した。