碧眼の天姫―刀の後継者



「お前はお前だ」

「!!?」


何故か、心の暗闇を両手で包まれたようだった。


「何があっても、お前が特別な存在であっても、俺は満姫を大事に思うよ」


私を…大事に……?
ねぇそれは……


どういう意味………?


「満姫、生きて幸せになる権利がお前にはある。だから……」


気付けば時初がすぐ後ろにいた。


振り向こうとした瞬間…


「どうしたら許されるか、なんて言うな…」


そのまま優しく後ろから抱きしめられる。



「時初…聞いてたの…?」


最初から知って…?


「お前のせいじゃない。お前はあの戦火の中、死ぬものぐるいで救おうとしたんだ。それを責める事は誰にも出来ない」

「違う…違うよ時初…」


私は…怖かった…
死ぬのが怖かった。


封印が突然綻んだ時、私はすぐに対処するべきだったんだ。


でも怖かった。
もう少しだけ……

もう少しだけって目を逸らしてきた。



「私は怖くて目を逸らしてたんだ。だから…沢山の人が死んだ。私は彼等から、沢山のものを奪ってしまったんだわ…」


涙がまた溢れる。
もう止められそうにない。


この後悔の涙は、いつ枯れるのだろうか…


「違うのは満姫だ!満姫、お前は俺達と同じ人で、同じように生きてる。封印の力を持っていようと、お前だけが責められる理由なんて何もないんだ」


時初は、私を慰めてくれてるんだ。


それでも私のしたことは変わらない。


「時初、ありがとう。それでも私は……」

「頼むから!!!」


時初が声を荒げた。
私は驚いて時初を振り返る。


時初は今にも泣きそうだった。


「頼むから…わかってくれ。でないと、いつかお前がいなくなりそうで恐い…」


今度は前から抱きしめられる。


「時初…ごめん……」


これ以上は何も言えなかった。


互いに傷つくだけだと、わかっていたから……