「屋敷にお前がいないから心配した。勝手に出歩くなよなー」
少し咎めるように言い、時初が近付いてくる。
どうしよう……
時初がこっちにくる…
こんな……
こんな情けない顔見せられない!!
「時初!!」
「お、なんだ!?」
時初は驚いて立ち止まる。
よかった…止まってくれた…
「私、時初の顔見たら叩きたくなるから、そこから前に来ないで」
我ながらめちゃくちゃだとは思う。
案の定……
「はぁ?何だいきなり、喧嘩を売ってるのかお前は」
時初はわけ分からないと言わんばかりに素っ頓狂な返事をする。
「何でもいいから来ないで。この距離で話しましょう」
「ま、良いが…。天皇が屋敷に来たんだろう?何か言われたか?」
「現状をどうにかしろって言われたわ!」
心配するような声に私は明るく振る舞う。
「そうか、あまり背負うなよ。俺達もいるんだ、たまには休め」
「ありがとう時初」
私の周りには、私を思ってくれる人達がいる。
ならば…私は強くなければ…
彼等を守れるくらい、強く…
「なぁ、満姫…」
「なに、時初」
聞き返せば、時初は少し間をおいて口を開いた。


