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「陛下、お待たせして申し訳ありません…」
入るやいなや、私は深く頭を下げる。
「天姫命(アマヒメノミコト)、気にしていない、前へ」
天皇の言葉通り、私は前へと出る。
天皇と会うのはこれが初めてではないけれど…
―ゴクン…
無意識に唾を飲み込む。
この人は恐い……
「天姫、今回の事、どうするつもりか」
天皇は無表情で冷たい瞳を私へと向けた。
「…まずはこの島で都の再建を。それから要人の代理を立て、都を一から立て直すのです」
「都をここへ移すと?」
「はい、火鬼の封印はもう…。ですから、今は出来るだけ都から離れるべきかと思います」
都が火鬼を封印した土地である限り安全ではない。
「良かろう、天姫の言う通り都をこの土地へ移す。作業にかかるがよい」
「ありがとうございます」
深々に頭を下げる。
「だが火鬼の事はどうするのだ?あのままではいずれ…」
「はい、考えております。都が復旧次第、封印の作業にかかります」
火鬼は天姫の血を深く憎んでいる。
私を追い掛けてこの島にまで来てしまうかもしれない。
だからこそ………
もう逃げられない。
そんな所まで来てしまったんだ…
「天姫、頼んだぞ」
「はい、承りました」
また頭を下げる。
天皇は小さく頷き、部屋を出て行った。
後に残されたのは政を司る人間達。
「天姫、貴様のせいで我々は都を追われたのだ、それを忘れるな」
「そうだ、なんの為の天姫か。所詮ただの小娘か」
陰口でなく堂々と嫌味を言う要人達。


