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「ただ今戻りました」

「…お帰りなさいませ、姫」


お手伝いさん達があたしを見て怯えながらもそう答える。


もう慣れたし、しょうがない事だと思う。


「…帰ったの?
何その血…気持ち悪い!!」

「汚らわしい!!!」


姉様達の暴言にも慣れた。
どんなに心無い言葉にも
何も感じなくなったのはいつからだろう。


覚えてないや…


「帰ったのか、美琴」

「……兄様……」


顔の整った兄様はここのお手伝いさんからも人気がある。


でもあたしは…
暴言を吐く姉様達より兄様の方が嫌いだった。


だって兄様は……
あたしを変な目で見る。