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「で、満姫様!」
夕食の席で次のおかずを口に運ぼうとした私に侍女の雪白(ユキシロ)が声をかけてきた。
「何かしら、雪白」
「時初殿とはなにか…」
「こらこら、雪白。そんな事を姫に聞くんじゃない」
雪白の言葉を遮ったのは、いつも優美な笑みを浮かべている平雅(ヒラマサ)だった。
雪白は私の二つ下、平雅はもう一人の護衛で、時初と同じ歳だったかしら…?
あ、でも平雅はとても頼りがいがあるし、大人だわ。
だからもっと年上かしら?
「姫、何か考え事でも?」
つい自分の世界に入っていた私に、平雅は心配そうに声をかけた。
「何でもないの、それより雪白、時初が何か…」
「まぁまぁ、姫、これをどうぞ」
何か聞かれたくないのか、平雅は不自然に私に蜜柑を進めてくる。
「平雅?一体何かしら」
「いえ、何も?」
笑顔は崩さずにシレッとしている平雅に私はため息をつく。
腹黒いのも平雅の性格の一つね。


