「その通りだよ、美琴」

突然聞こえた声にあたし達は身構える。


―ザッ

「失礼するよ」


でもすぐにその緊張を解いた。そう言って入ってきたのは先代天姫、あたしのひい祖母様にあたる天宮 壺音だったからだ。


「ひい祖母様!!」


先代でありながら、実質的に天宮を統一しているのはひいお祖母様だ。


「美琴、お前はもう縛られる必要はない。もう…この連鎖を断ち切らねばならぬのだ…。だからこそ…」


ひいお祖母様は静かに頭を下げた。


「ひい祖母様!?」

「すまなかった!!私も、この血に抗えず、たくさんの命を見捨てた。実の子さえ…」


ひい祖母様…………



ひい祖母様だって苦しんでいたはずなのに…


生きている事こそが苦しみでしかないというのに…


「私等はお前達に賭けよう。この命と、世界を…」


お祖母様はあたしの手を握りしめる。


「私達の未来を…どうか…」


「守ってくれ」



ひい祖母様と草助様があたしの手を握りしめ、願いを託した。


「…承ります。天姫の名に冠する者として、そして…」


大切な人達の願いに賭けて…………