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「何だろう…嫌な予感がする…」
最近この地の気が淀んでいる気がする。
『目覚めが近い。封印が壊れるのも時間の問題だろう』
「天鬼…。あんたが言うなら本当なんだね…」
あの…至上最悪の鬼、火鬼が目覚める…
『美琴、島の人間はどうする?』
そうだ…
火鬼が目覚めれば沢山の人間が死ぬ。
なら………
「白蓮様の所へ行こう。それから一度天宮家に帰る」
もう逃げていられない。
あたし一人じゃ守りきれないものがあるから…
「あれに何も言わずに行くのか?」
………千年………
傍にいると言った。
もうどこにも行かないとも…
でも………
「傷つけるってわかってる。でも…」
家に帰るって事は、あたしの子孫を残す為に体を差し出すという事。
本当に最後だ……
これであたしの役目は火鬼と戦うだけ。
「行こう天鬼………」
あたしは刀を手にベランダへと出る。
振り向いて千年の部屋を見渡した。
短い間だったけど二人で過ごした思い出の場所。
想いはここに残ってる。
千年…ごめん…
今日、あたしが好きなもの作るって言ってくれたのに…
「千年のハンバーグ、食べたかったよ」
そう言ってあたしは笑う。笑ってるのに泣いてた。
「千年…幸せに…」
―タンッ
これ以上決意が揺らがないようにあたしはベランダを飛び出した。


