人気の無い神社はざわめく木々の音さえも不気味に感じさせた。
「ねぇ…萩原君…」
三上さんは俯いたまま口を開く。
「本当に大切な人を失った事がある?」
その問いに俺は思い出す。美琴が俺を庇って一度死んだ事を…
「あるよ…」
俺に力が無かったから…
あの時美琴を守れ無かった。
そして今も……
鬼になった自分を引けめに感じている。
それが悲しくて苦しくて…
とてつもない憎悪さえ
生まれた。
「憎くて…憎くて……歯止めも聞かない」
三上さんはそう言ってゆっくりと顔を上げた。
「三上…さ…ん…?」
三上さんの頬には涙が伝っていた。
「萩原君が憎いわけじゃない」
三上さんは一歩俺に向かって踏み出す。


