『美琴…愛して…います…私が最後にあなたに…出来る…の…は………』
その瞬間―…
―ピカッ
光が包むようにあたしに集まってきた。
不思議と涙が溢れた。
その温もりが…母様に似ていたから…
『静かなる…
鼓動は時に子守唄……』
優しい謡が聞こえた。
母様の優しく、美しい鈴のような謡声が心を鎮める…
『母なる愛よ永久に
包め愛よ無条の愛よ』
紅い瞳は碧へと変わり、刀も力を収めた。
『愛し愛しと愛でし子よ
我の腕で良い子に眠れ―』
そうして謡は途切れてしまった。
「…っ…ふっ……ううっ…」
涙がポロポロと溢れては流れ、紅く染まった地を清めて行く。
「うあああぁぁぁっ!!!」
母様を抱きしめて泣き叫ぶ。胸が張り裂けそうだ。
「母様っ…母様ぁ!!!」
守れなかった……
母様を守れなかった!!!
「何の為に…何の為に力を望んだのよ!!!何の為に…鬼になったのよ!!!!」
一人叫んでは母様を抱きしめる手に力を入れる。
母様の体が黄金に輝き出した。そのまま天に昇るように消えて行く…
「嫌っ…嫌よ…消えないでっ…。母様っ…行かないで!!一人に…しないでっ…」
天へと手を伸ばす。
母様の体は完全に天へと消えて行った。


