声…声が聞こえる……
『美琴…愛しい美琴……。
どうか苦しまずに……』
悲しげで、どこか優しさを含んだその声はあたしがよく知る人のものだった。
「母…さ…ま……?」
鬼に刀を一突きした瞬間、鬼は灰のように風と共に去った。
あたしは動きを止めて地面へと落ちた母様の亡骸に目を向ける。
「母様…生きて…生きてたんですね!?」
駆け寄って血だらけの母様の亡骸を抱き起こした。
「良かった…母様!
母様が死んでしまったかと…」
でも、声をかけても母様はピクリとも動かなかった。
「…母様…?
どう…なさったのです?」
不安が襲う。
嫌な予感がする。
するとまた声が聞こえた。


