「………………………」
―ザシュッ
「ギャアアアアアッ!!!」
鬼は斬られた手を庇いながら後ずさる。
…許せない……
母様…を……………
―殺せ
「殺…す…………」
血が滲む程刀を握りしめた。
「美琴…あの姿…は…」
静は自分の娘である美琴を悲しげに見つめた。
今までの天姫の中に、このような姿をした姫がいたでしょうか…
戦の運命の年に生まれた天姫は鎮魂の力を宿す碧の瞳で刃を振るったといいます…
ですが美琴は………
荒れ狂う鬼のように紅い瞳と、鎮魂の碧の瞳を二つ持っている……
あの実験のせい…なのでしょうね…
貫かれた痛みよりも心の痛みの方が大きかった。
瞳を閉じれば…あの時の事を鮮明に思い出す。


