Distance of LOVE☆

「遅いっ!!」


「すみませんっ…」


「和ったら、ニットワンピの上になんか着ろってうるさくて。
手頃なもの選んでたら、遅くなっちゃって…
すみませんっ…」


僕の隣で、丁寧に頭を下げるゆづ。

僕も一緒に、2人で謝罪。


「大丈夫大丈夫。
ホラ、いいから食え。
明日の午後から準備だからな。
体力もたねぇぞ?」


アルプスさんにそう言われ、さっそくビュッフェに走る。


何気に、オーストリア特有の料理だけではなく、日本料理が充実している。

なんでも、このホテルを含めた場所は、日本の財閥経営者が株主なんだとか。


「ねぇ、和…
明日の午後からでしょ?
準備。
午前中は何するの?」


「ん?
まだヒミツ。
明日の朝になったら教えるよ。」


そう言うと、頬を膨らませて拗ねるゆづ。


…可愛いな、ホントに。


「ん。」


拗ねている彼女に、パフェに付いているウエハースの部分を食べさせてやる。


「甘っ!!
でも…おいしいっ…」


「機嫌、直りました?」


そう言いながら、ニッコリ笑って、和くんスマイル。

「うんっ!!」


パフェよりお前らのほうが甘いよ、などと冷やかすアルプスさん。


夕食を食べ終えると、ピアノを弾きたいと言い出した悠月。


そういえば、夕食の後にピアノを弾くのは、ゆづの日課だっけ…

今彼女に弾かせれば、ついでに調律が出来るかな。


「いいよ?
好きなの弾いてきな?」


弾いたのは、ショパンの革命。


「弾き終わったあと、すっごいスカッとするんだよね。」


音楽会の仲間たちから、称賛の嵐を受ける度に、そう返していた彼女。


「いいね。
ピアノを弾いている人は。評価が適格。」


満足したらしい彼女は、僕を1階に残したまま、階段で部屋に帰ろうとする。

慌てて引き留めて、2人で部屋に向かった。