「大丈夫だよ。
……絶対、何とかするから。
オレ、表向きは芸能人だけど、実はFBIカガク捜査官だし。」


「……そうね。
私も、検事だし。
…大丈夫。
法律は、絶対にあなたを見捨てないわ。」


その…メイさんと蓮太郎さん…
オーナーの両親に雅志と2人で会釈をした。


「行こうぜ、メイ。」


「ええ。
じゃあ…私たちは捜査に行くわね。」



そう言って、私たちの病室を出ていった。


そういえば、オーナーが見当たらない。


そのうち戻ってくるだろう。

誰かと電話でもしている可能性もあるし。


そんなことを考えていると、ガチャガチャと騒々しい音を立ててドアが開いた。

喉元まで出かかった"ノックくらいしてよ"の言葉を思わず飲み込んでしまう。

「奈留っ…!?」


困惑の表情を浮かべながらそう呼び掛けたのは…私のお父さんだった。

過保護だから、ちょっとでもケガをするとすぐ迎えにきたりしちゃうんだよね…

「お父さんっ…」


私のその言葉で、雅志も挨拶をする。


「…奈留もか…
娘も…同じようなことになるとはな…
まあ、奈留と雅志くんなら…私たちみたいにはならないだろう。


「あの…お父さん?
お母さんたちみたい…って?」


「ん?
話せば…長くなるぞ?」


「お父さん…話していただけますか?
僕と奈留が…同じような失敗を繰り返さないためにも。」


雅志がそう言うと、お父さんは、私が寝ているベッドの傍らに座って、ゆっくりと話し出した。


私と雅志は、お父さんの若い頃へと…時を戻していった。