強引に、車の中に引っ張られた。


「全く…友達から病院にいるって連絡受けたからいいけど…何してたんですか?すごくすごく…心配したんですよ…」


「ごめんなさい…
怖かったの。
あのさっきの女の人…和の元カノさんなのかなとか考えちゃったり…
私はね…何にも知らないの…和の過去を。
その人は…私の知らない和の過去をいっぱい知ってるんだって…
私はそんなの嫌なの!!
いつだって私が…和にとっての1番でいたいの…!
そりゃ私は、あの人みたいにスタイル良くなんてないし、美人じゃないけ…どっ」


言い終わる前に、和の舌が私の口内に侵入してきた。

静かな病院の駐車場だから、水音が外に響いていないかが心配だった。


「ゆづ、ホント天然ちゃんですね。
僕が通ってた専門学校、なぜか音楽の授業もあったから…
そのときの先生です。

だから…その当時も恋愛感情なんて欠片もなかったですよ。
僕が心から愛せるのは…ゆづだけですから。」