なかなか…カンのいい子だな…
まぁ…いいや。


とりあえず、会社に戻って、駐車場にある自分の車に谷村さんを乗せて、自宅に向かった。


家のインターホンを鳴らすと、悠月がひょこりと顔を出した。


「あ…谷村 美月さん…ですよね?
一度会ってみたかったんですっ!
三ノ宮 悠月と申します。」

「谷村 美月です。
改めて、よろしくお願いします。」


谷村さんを案内する最中、ゆづの耳元で「成長したな」と声を掛けた。

なぜかって?


「三ノ宮 悠月」ってスムーズに言えたからだよ。


「何よっ…
もう、いい加減慣れたから!!
子供扱いしないでよっ!!」

拗ねてしまった悠月の頬にそっと口付けた。


「今はこれで許してね?
お望みなら、後でいっぱいしてあげるし。」


「お望み…じゃないわっ!!」

そんな僕たちのやり取りを、呆れるでもなく、笑顔で見つめていた谷村さん。


「私の従弟にも…早く、そんな感じになってほしいんですけど…(汗)
無理そうです。
彼、ドMでヘタレだし。」

谷村さんはそれだけを言うと、再び笑顔を見せた。


「従弟…いるんですね。
あ、谷村さん。
私に手伝えることあったら、遠慮なく言ってくださいね?
大体の経緯は和から聞いてますから。」


「ありがとうございます…すみません…
あの…私のほうこそ、和之さんと2人で会ったりしてて…すみません。」


「いいのよ別に。
ただの相談事でしょ?
浮気していたワクじゃないしね?」