そして…それから2日後。

「退院、おめでとうございます!!」


朱音たちに迎えられて、僕とゆづと悠香…3人揃って、退院した。


「悠香~。
行くか?悠香の家。」


赤信号で車が止まる度に、悠香に話かける僕。

親バカ街道、爆走中らしい。


「和…
家行く前に…寄ってほしいところ…あるんだ。
いいかな?」


車を停めた先は、お墓。


何となく分かってた。

彼女の寄りたい場所…


悠月の大好きな母さんが眠る場所。

報告したかったんだよな?

お母さんに。


「無事、産まれたよ。」


って。


手を合わせてから、悠香を抱き上げるゆづ。

その間に、僕も手を合わせて、改めて誓った。
悠月と悠香を、一生守っていくことを。


やっぱり…出産すると…精神的にも強くなるのかな。
今までの悠月なら…お墓の前で号泣してそうなのに。

泣いていなかった。


彼女の肩を軽く叩いてから…車に戻った。


きっと…ゆづの母さん…菜月さん…
喜んでるよ。


「久しぶり…だな、ここ…」

懐かしそうに言う悠月。
まぁ…入院してたんだから…当たり前か。


ん?

ちょっと悠香が笑った気がした…


「悠香も気に入ったか~
この家。」


「そうなんじゃない?
あ、和があまりに親バカだから呆れてるだけかもよ?」


「ゆづっ…お前な~!」


そう言って、彼女の弱点の腰辺りをくすぐる。


「やっぱ笑ってるね。
悠香も嬉しいんじゃない?私たちが仲いいから。」


「だね。」


その夜、僕の両親や叔父さんが家に来てお祝い金などを持ってきてくれた。