俺と君の物語

だが、それは逆効果だったようだ。

まるで恐ろしいモノを見るかのように顔が恐怖に染まっていく。

「違うんだ!俺は本当に起こそうとしただけで」

もはや俺の言葉は耳に入っていないだろう。

今にも叫びそうだ。

さすがにそれはまずい。

こんなボロアパートの薄い壁じゃ周りに丸聞こえだ。

どんな噂をたてられるかわかったもんじゃない。

なんとか阻止しようと女の子の口を塞ごうとする。

「……たい」

女の子が何か呟いた。

が、今はそんなことに構っていられない。

早く塞がなければ!

しかし、俺の手が彼女に触れることはなかった。

「この変態っ!」

突如、鳩尾に重く鈍い衝撃が突き刺さる。

「ぶはっ!?」

女の子に殴られたんだと理解した時、身体はすでにベッドに崩れ落ちた後だった。

あまりの衝撃で、意識が闇に引きずり込まれそうになる。