「……本当に…ねぇ…。」

「まだ若いのに。」


辺りを見渡せば制服や
喪服を着た人ばかり。

たくさんの人、たくさんの泣き声
たくさんの傘。


「奈々……、もう最後よ。」

みんなが花を入れた棺は
すでに溢れそうなほどの
花があった。

私はお母さんに支えられ
棺の隣まで行った。

「………。」

「奈々…。」

私は棺に花を入れた。


こんなに綺麗な顔だったかな。


「……修一。」

修一の名前を呼んでも
目の前にいる修一から
返事は返ってこない。