―‥それから目が覚めると、

「朱架?」

「シーッ」


朱架が指さす方には、綺麗な顔で眠る涙の姿があった‥


「涙くんね、あんたが起きない間も毎日毎日来てたんだよ?」

「へぇ〜‥」

「お医者さんから、あんたが『意識が戻ることはないだろう』って聞かされても、お父さんに『自分の幸せを優先してくれ』って言われても、涙くんはね、『俺は羽架を信じる』って言ったの‥」

「‥ぇ?」

「『羽架が起きたとき、俺が傍にいないで誰がそばにいるんだ』って言ってね?」

「・・・」

「‥あんたが起きない間、涙くんあんまり寝てないと思う。たぶん、ご飯もあんまり食べてないと思うよ?‥来る度、来る度、痩せてったもん‥」


言葉がでなかった‥


涙がこんなに心配してくれてたんだってことと、あたしを信じて待っててくれたこと‥


それが、素直に嬉しかった‥