楽しい夕食にただ一人顔をしかめている凌ちゃんさん。


機嫌が悪いというよりは、拗ねているだけのようだ。



「凌斗さん、こんなやつと一括りにしないでくださいよ。」

「こっちのセリフだむっつり野郎。」


本当にこの二人はよく同じネタでここまで喧嘩できるよなぁ。

言い合いを始めたダブル翼は放っておいて凌ちゃんさんに向き直る。



「そんなにあたし信用ないかなー?第一、教師であるあたしが生徒に手ェ出すわけないじゃんか。」


「のぞみが大丈夫でもこいつらは大丈夫じゃないの!高校生の手の早さとフットワークの軽さを舐めてたら襲われちゃうよ!」


フットワークの軽さってなんだよ。



「やっぱり経験者は語るねー。」


「武藤さんは黙って弟くんと仲良くご飯食べててください。」


「なんなら仲良くお家に帰っても良いんですよ?」


「オレはまだ帰んないから兄貴先帰っていいぞ。」



「…オレに対してのあたりの強さに涙がでそうだ。」