「凌ちゃんさーん?みんな待ってますよー?」


寝室のドアを開けると、ベットに座り込みやっぱりブツブツ言っている凌ちゃんさんがいた。


完全に自分の世界に入り込んじゃってるな、あれ。

どうしたらこっちの世界に戻ってくるか…



「凌斗?動けよー」


耳元で囁くと反応あり。

ベットに膝立ちしているあたしは凌ちゃんさんを見下ろす形になる。


上目遣いでこっちを見た凌ちゃんさんはなんとも元気がない。



「あー…話を途中で切っちゃったのはすみませんでした。謝ります。でも、もうみんな待ってるので行きません?」


「チューしたい。」



……なんでまた急に。


まぁこの状態にしちゃったのはあたしにも原因があることは確かだし、仕方ないか。



「甘えん坊ですね。何をそんなに気に病んでるんですか?」


「今日一日、俺が働いてる時にあいつらがのぞみにベッタリだったと思ったら、歯ぎしりしたいほど悔しい。」



……そんなことで歯ぎしりしないでいただきたいですね。


仕方なく、目の前の甘えたのしたいようにされるがままになっていると、段々調子に乗ってきたのがわかる。


「お客さんが来てるのに盛ってんじゃないの!!ほら、行くよ!」


すっかりご機嫌になった様子の凌ちゃんさん。


単純でよかった。