「中島センセー!こんにちはー!」


「あい、こんにちはー。
夏芽さんは今日も元気いっぱいねー。」


「夏芽でいいってば!さんなんかいらないから!センセー聞いてよーお兄ちゃん今日もねー…」


あの日帰り際に言った言葉はちゃんと伝わっていたらしく、何かあるたびあたしの元を訪れるようになった妹ちゃん。


相談内容はいつもお兄ちゃんがウザイだなんだとお兄ちゃんのことばかりだ。

あまりにもお兄ちゃんの話しかないもんだから、もはや夏芽さん…夏芽もお兄ちゃんが大好きなんじゃないかと思い始めている。


「でね、お母さんは何かとあたしのことお兄ちゃんに任せようとするの。
お兄ちゃんも関わろうとしてくるし…

もう高校生だよ?さすがになくない?」



今日の題材は夏芽にベッタリのお兄ちゃんをどうしたらいいのかと言うものらしい。

てか、最初からそんな感じのことばっかりだった気がする。



「もう高校生って言うけど、お母さんからしたらまだまだひよっこって感じなんじゃない?

まぁ、先生もちょっと前まで高校生だったから夏芽の気持ちがわからなくもないけどな。」



年頃の女の子の悩みは難しいもんよね。


「センセー!名前!」


「へ?あなたが夏芽って呼べって言ったんじゃないの。」


「そーだけど!呼んでくれると思わなかった!」


「可愛い生徒のお願いだもの。2人で話すときくらいは呼んでもいいかなーなんて。」


「うん!いい!夏芽でいい!」



そんなに喜んでくれるならいくらでも呼んであげますよ。