「いや、オレの勝手な寝不足です。気にしないでください。」


そうは言われてもな…。


「しつれーしまーす!希美センセーはいらっしゃいますかー?」


不意に部屋の外で響く間の抜けた声。


この声は、
「和樹か…。」


そうだ。ひぐち君だ。



「お邪魔するー。」


そのままノックもなしになんだか良さげな部屋に入ってきたひぐち君。

なぜか輝く笑顔のオプション付きだ。


「やっぱりここにいたかー。ね、翼?心配することなかったでしょ?」


「心配?」


「あ、もしかしてお前寝不足だったりする?ホント、頭良いくせにバカなんだから。」


「それ以上は言うな。そんで、オレはバカじゃない。」


あたしと会長くんが座っているソファーの向かい側にあるソファーに座るひぐち君。

あたしだけ話についていけてないぞ。



「何の話だよーい」



「あのね、センセー昨日翼と…」

「それ以上言うなって言っ…」

「はい、ひぐち君続けて。」



会長くんの言葉を遮り、先を促す。


どうやら会長くんの寝不足にはあたしが関わっているらしい。